5169485 3 3 false ypDDp1ccaDcQCiS7eHNbMKYNxdNDOtaa b6267d5b4b6d30bc24ecba15f797da98 『南緯六〇度線の約束』うめサイン会 in 宗谷! 0 0 10 false
ビッコミさんの作品:『南緯六〇度線の約束』うめサイン会 in 宗谷!

晴天に恵まれた11月22日、『南緯六〇度線の約束』の単行本第5集発売を記念して、うめ氏(小沢高広・妹尾朝子)のサイン会が開催されました。その会場となったのは、初代南極観測船「宗谷」! 作中にも登場する“奇跡の船”で行われた特別なサイン会の様子を写真とともにレポートします。

 

 

日本初の南極観測船「宗谷」は、昭和31年(1956年)第1次から昭和37年(1962年)まで6次にわたる南極観測で活躍した後、昭和53年(1978年)まで海上保安庁の巡視船として運用されました。退役後は東京のお台場にある「船の科学館」に係留・展示され、現在もその雄姿を見ることができます。

 

 

『南緯六〇度線の約束』では単行本第4集で室蘭に係留されたままの特務艦「宗谷」が登場、第5集で南極観測船として生まれ変わるまでが描かれています。

 

 

サイン会当日は抜けるような青空で、絶好の“観測”日和。宗谷に到着したうめの両氏も上機嫌。まずは出迎えてくれた船の科学館の皆さんと記念撮影。

 

 

サイン会の会場となったのは、普段の展示では室内に入ることができない宗谷の士官食堂。作中でも描かれている、まさにその場所で行われる特別なサイン会に、うめのおふたりも開始前からテンションが上がります。

妹尾 「単行本4集から宗谷にフィーチャーして、特務艦時代から描いてきたんですけれど、今回、5集で南極観測船に生まれ変わるタイミングで、宗谷でサイン会ができたらいいなって。」

小沢 「連載をする時に、何となくマイルストーン的にいくつか目標を考えたりするんですよ。アニメ化とか映像化とか10個くらい目標を並べたうちのひとつに、宗谷でサイン会というのを考えていたら、まさか実現するとは! 本当にありがたいです」

 

 

 

 

 

13時。海上のセッティングを終えて、いよいよサイン会がスタート! 6畳ほどの士官食堂でサインを行うため、サイン会の参加者は事前に指定された時間ごとに集合します。サインの順番をまつ間に宗谷トークで盛り上がる参加者や、家族連れでの参加など会場はとてもアットホームな雰囲気。顔なじみの読者と談笑したり、ファンレターを受け取ったりと、うめのおふたりも心から楽しんでいる様子。

 

 

 

 

 

うめ作品に実名登場した企業の社員から、熱烈な宗谷ファンまでディープな読者が次々と訪れて、サイン会の会話とは思えないマニアックなトークに花が咲く場面も……! サインに入れて欲しいキャラクターのラフを自ら描いて持参する人、まさかの宗谷のイラストを希望する人……などなど十人十色のファン模様で、いろんな角度から『南緯六〇度線の約束』を楽しむ読者がいることが伝わってきます。

 

 

 

サイン本を手に満面の笑みで記念撮影! サイン会の会場である士官食堂を出ると、そのまま南極観測船宗谷の内部を見学できる展示コースになっているので、タロとジロに思いを馳せながら船内を歩くことができる贅沢仕様のイベント。ファンの皆さんも、

「普段は外から見ることしかできない士官食堂の中に入ることができるだけでも貴重な機会だなと思います。今日はいろいろ行きたいイベントがあったけど、宗谷の中でのサイン会ということで、これしかないと思って参加しました!」

「サイン会と同時に『南緯六〇度線の約束』の聖地巡礼もできるので嬉しいイベントでした。タロとジロが南極に着いたら、今度は昭和基地でサイン会をやるのかな? と今から楽しみです……!(笑)」

と、大満足の足取りで士官食堂を後にして、船内探索へと向かっていくのでした。

 

 

取材のため何度もこの場所に訪れているという、うめのおふたりは、サインの合間に、この宗谷の存在が『南緯六〇度線の約束』の制作にとってとても心強いものであったと明かしてくれました。

妹尾 「漫画の中にも宗谷の艦橋や、この士官食堂で会議しているシーンが出てくるんですけれど、描く度になんでこの角度の写真が無いの? みたいになって、ここに来て資料写真を撮ることを繰り返していて。普通はこんな取材できないですからね。」

小沢 「会いに行けるアイドルみたいなものです(笑)。ただ、この後の展開はさすがに昭和基地まで写真を撮りに行けていないので大変なんですよね。」

 

 

楽しいサイン会を終えて、船の科学館・特別プロジェクト室の浅川氏とサイン入りポスターを手に記念撮影。作中で特務艦時代、南極観測船時代の宗谷を描くにあたって船のデザインを監修してくれた学芸員のこだわりは、うめのおふたりも「漫画でこんなに丁寧な監修をしてもらうことはない」と驚くほどだったとか。最後に、浅川氏にこの特別なサイン会について伺いました。

浅川 「うめさんと参加者の距離が近く、笑い声が絶えない和やかなサイン会でした。うめさんは、参加者一人ひとりと丁寧に向き合いながらサインされていたのがとても印象的で、読者との交流を大切にしていることが伝わってきました。今回のサイン会をきっかけに、多くの方が「宗谷」や南極観測に興味を持ってくださればうれしいです。」

 

 

サイン会の帰路は夕陽を背にする美しい姿の宗谷が見送ってくれました。

『南緯六〇度線の約束』 はビッコミで絶賛連載中! 東京・晴海ふ頭を出航して南極に向かう「宗谷」は寄港地のケープタウンを出て、いよいよ南緯六〇度線が目前に……! タロとジロ、そして南極観測隊の活躍はぜひその目でご確認ください!!

 

最新単行本第5集も好評発売中!!

「船の科学館」Webサイト

https://funenokagakukan.or.jp/

 

 

(取材・文:平岩真輔/写真:ぺらねこ)

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23時間前