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戦争は終わった。——それが地獄の始まりだった。 終戦を迎え、激戦地から母国へ戻った海兵・八重崎充。 しかし、彼の心に平穏が訪れることはなかった。 変わり果てた故郷を歩き、言葉を失う八重崎。 そこで彼を待っていたのは、思いもよらぬ家族の姿だった。 そして、彼自身もまた、誰にも語れない罪を抱えていた。 生き延びたことが罰となり、眠れぬ夜を繰り返す日々。 過去に囚われながら、八重崎は問い続ける。 ——あの日、自分は何を守り、何を失ったのか。 八重崎充の戦後に、希望はあるのか。