いよいよ6月23日(金)より公開される実写映画『君は放課後インソムニア』。
曲伊咲を演じるのはかねてより原作の大ファンだと公言する森七菜さん。
ちなみに、原作者のオジロマコト氏はもしも実写化するなら伊咲は森さんしかいないと熱望していたようで…!?
そんな実写映画化が決まる前から相思相愛な二人の豪華対談が実現しました。
大好きな”君ソム“との出会い
――森さんはもともと原作の大ファンだと公言されていましたが、読み始めたきっかけはなんだったのでしょうか。
森 以前、「スピリッツ」の表紙を務めさせていただいた時、完成した雑誌を読んでいたら君ソムが目に留まりました。「スピリッツ」は青年誌なので大人の男性が読む漫画というイメージがあったのですが、こんなにも青くてキラキラしている作品があるのかと…もう意表を突かれてそこから夢中になってしまいました。
オジロ 森さんが作品のファンだと言ってくださったのを知った時、嬉しいよりもまずはなんで!? と驚きでした。でもじわじわと嬉しさが込み上げてきて、原稿を描いている時も思わずキャラクターの口角が上がってしまったり(笑)。
シルエットが絶妙!? 好きなシーンを語る
――原作で好きなシーンを挙げるとしたらどこですか?
森 ありすぎて本当に悩みますが、やっぱり中見と伊咲が台風の日に夜の体育館でキスをするシーン! 二人の姿が影になっているところがいいんですよ。
オジロ 伊咲がちょっと背伸びしているんですよね。
森 シルエットが本当に絶妙で、読んでいると思わず”青春の筋肉“がこわばるというか、こっちまで震えてしまう感じ。もう大好きなシーンです。こういうシーンってどうやって作り出されているんですか?
オジロ 実際にありそうだなっていうラインの内側に、少しのときめきをプラスするイメージです。でも、夜の学校って今の時代だともうあまりない状況かな?(笑)
伊咲は森さんしかいない!
――伊咲を演じることが決まった時はどんなお気持ちでしたか?
森 夢が叶った嬉しさでいっぱいでした。もしも実写映画化するなら絶対何かしらの役で携わりたいと思っていたので、まさかこうしてヒロインの伊咲を演じられるなんて!
オジロ 実写映画化するなら伊咲は森さんがいいとずっと思っていたので、キャストを聞いた時は私もすごく嬉しかったです。
森 実は伊咲の役が決まった時、親友に報告したらすごく喜んでくれたんです。実写映画化への不安はありましたが、役が決まったことへの喜び、そして大切な人からの嬉しい反応を含めたら、わくわくのほうが止まらなかったですね。
漫画のコマから役作りを徹底研究
――原作のファンである森さんだからこそ、伊咲を演じる上で気をつけたことはありますか?
森 やっぱり大好きな作品で何度も読んでいるからこそ、物語が見えすぎてしまっているところがあって。例えば、伊咲がひと知れず抱えている悩み、それによって周囲が感じる悲しみとか…できるだけ予知しないで演じたかったので、一旦全部忘れるんだって気持ちで臨みました。
オジロ 映画で天文台のロッカーから伊咲が飛び出して走っていくシーンを見た時に、伊咲だ! と思いました。伊咲が走るシーンは、”ドタドタ“ではなく”トトトト“という擬音をイメージしながら描いているのですが、その動きも含めて伊咲そのものだなって。
森 ありがとうございます。実は、伊咲の動きや顔の表情をいつでも確認できるように、台本のト書きのところに印刷した漫画のコマを切って貼りつけていたんです。白線踏むところとか、両手を上げてポーズをとるところとか。特に「秘密やぜ」のシーンが大好きなので、台本、そしてコマとにらめっこしながら撮影に挑みました。普段あまり緊張しないのですが、大好きなシーンだからすごく緊張してしまいました(笑)。
伊咲を演じて、描いて、お互いが楽しい瞬間
――森さんは伊咲を演じていて、オジロ先生は伊咲を描いていて、それぞれ楽しいと感じる瞬間を教えてください。
森 中見をはじめとする、天文部やクラスメイトのみんなと和気あいあいとしているシーンです。みんな本当に仲が良くって、なんだか高校生活を追体験しているような気分でした。
オジロ 私は、伊咲のちょっと抜けた表情とかコミカルなシーンを描く時です。描く時は楽しいというか、気合いが入ります。
森 伊咲といえば、撮影に向かう前に青いスニーカーを購入したんですよ。それで、現場に到着して衣装に着替えようとしたら、全く同じものが用意されていたんです! 驚きましたが服装から伊咲に馴染めているんだなと思って嬉しくなりました(笑)。
七尾市での撮影の思い出
――七尾市での撮影はいかがでしたか?
森 七尾市に到着してすぐにみんなで聖地巡礼をしたのですが、改めて原作の背景の緻密さに驚きました。あと、空き時間に女子メンバーでお好み焼きを食べに行ったり…もちろんカニ(永瀬莉子)が焼いてくれました(笑)。なんだかみんな役との境界線がないくらい君ソムの世界に浸っていましたね。
オジロ 君ソムは、”海沿いの街に住む2人の高校生“というイメージからスタートした作品で、アイデアを膨らませるために本当は能登半島をぐるっと一周取材する予定だったんです。ですが、一番最初に訪れた七尾市で天体観測室がある七尾高校を見た時にここだ!ってピンときたんですよ。
森 今まで漫画で見てきた風景が実在して、風が吹いたり、木の葉が揺れる様子を見ていると、この地は生きているんだ!ってすごく感動しました。全てが漫画から出てきたような不思議な気持ち。完璧な場所、完璧なキャストたちと一緒にこの作品を作り上げることができてすごく幸せでした。
これから映画を観る人へメッセージ
――最後にこれから映画をご覧になる皆様へメッセージをお願いします。
オジロ 原作を愛読して下さっている方はもちろん、未読の方、本当にみなさんに見てもらえたら嬉しいです。ちょうど上映時期も初夏ですし、作中の季節感とぴったりだなと。
森 本作は中見と伊咲だけではなく、その周囲の友人や大人たちの関係もしっかりと描かれている物語。だから、本作の人物相関図のどこかしらに映画を観にきた人が当てはまる、そして何か受け取れるものがあると思います。ぜひ光を掴むような気持ちで見に来てほしいです。
取材・文 / ちゃんめい
森 七菜
2001年8月31日生まれ。
代表作に『天気の子』、『ラストレター』など。
オジロマコト
漫画家。代表作に『富士山さんは思春期』『猫のお寺の知恩さん』他。
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